

丹後について
丹後は一三〇〇年以上前から絹織物の産地であった歴史をもちます。
絹織物産地「丹後」に、革命的な変化を与えた「丹後ちりめん」は、今から約三〇〇年前の一七二〇年に郷土人たちの手によって生み出され、丹後地域に活気と富みをもたらし、今やそのシェアは全国の約七〇%にも上ります。
伝統技法を護りつつ、職人たちの技術力、高度な加工技術により「ものづくり」の進化を続ける丹後産地は、丹後ちりめんをはじめ、京都・西陣の生産基地として、日本の和装文化を支える日本一の絹織物産地を形成しています。
さらに、職人たちの挑戦は和装分野にとどまらず、洋装、インテリア分野などへ拡がりを見せ、職人たちの感性から創り出される織物は、国内外の名だたるブランドからも高い評価を受けており、市場に新たな風を吹き込んでいます。
糸を「撚る」こと、それを巧みに「織る」ことを可能にした職人たちの技術は進化を続けながら、今もなお世界最高水準の技術として受け継がれています。

シルク織物の風合いは、 水で決まる。
世界にはシルク織物が織られている地域が点在していますが、その中でも丹後のシルク織物は、風合いの良さと品質が高く評価されています。同じシルクでも、大きな違いが出るその所以は、精練工程に使う「水」の違いにあります。

シルク生糸の表面には「セリシン」と呼ばれる成分があり、このセリシンには一定の硬さがあります。繭から取り出された生糸をコーティングしているセリシンを落とし、繊維であるフィブロインだけを残す工程のことを「精練」と呼びます。この精練は水仕事、とにかく水が最も重要。大量の水を使う中で、丹後の水は良質であることから、やわらかく、溶けるような手触りのシルク生地が得られるようになったのです。

山と水に恵まれた
丹後シルク
丹後のシルク織物の精練を一手に引き受ける、丹後織物工業組合は、工場から七〇メートルほど西にある「竹野川」の水を汲み上げ、精練に利用しています。竹野川の水は軟水で、量も豊富。この水をさらに良質の軟水に加工し精練をすることにより、しなやかで柔らかい風合いのシルク生地が得られます。

その水の質が変わると、シルクの風合いも変わる。丹後シルク独特の質感・手触りは、その根本が水によって成り立っています。
古来から、精練工場はお米や酒が美味しい地域につくられることが多く、精練は良い水が最も重要であることを示しています。そして良い水は、良い山、良い地質から生まれるもの。シルクと水、水と自然環境は、常に密接に関係し合っているのです。

人の肌に最も近い天然素材。
今、見直されるシルク
この地球上に存在する天然繊維の中で、人間の肌に最も近い「シルク」。人間の肌が持つ二〇種類のアミノ酸のうち、十ハ種類がシルクと一致することを考えても、人間にとって親和性が高い素材であることが伺えます。このため衣類やインテリア・寝具類への利用はもちろん、化粧品や医療分野に至るまで、今シルクは新たな可能性を見直されています。
丹後織物工業組合においても、シルクセリシンの保湿成分を活用したスキンケア化粧品「きぬもよふ」を開発。そしてこの度新たにオールインワンジェル【DearCOCOON】を開発。忙しい毎日の中でも、最高のケアを。皆様の笑顔溢れる毎日を応援します。
